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2010年2月

市場を創る。

あなたのお店で扱っている商品の中で、
あまり売れていない商品を1点選んでみてください。

その商品をテーブルにでも置いて、じっと眺めます。

“この商品には、どんな使い方があるだろうか”
“どんな場面で使われるだろうか”
“どんな人が使うだろうか“

あらゆる可能性を考えてみます。
無理やりでもかまいません。

しばらく考えていると、
“そんな使い方はしないだろう”
と思えるものも浮かんできます。

そのとんでもない発想をメモ書きしておいてください。
ありきたりの発想のものは書かなくてもいいです。

今度は、メモ書きしたものをじっくり考えてみます。

本当に無理な考え方かどうか。
もしかしたら、“あり得る”のかもしれません。
少しでも可能性がありそうなら、
それが「新しい市場」を創ることになります。

そのとんでもない発想をお客さまに提案するのです。

お客さまが想像しやすいように、
具体的な生活提案までします。

生活の中での
“こんな時、こんな場所、こんな使い方”を
お教えします。

いま、マーケティングでは、
より具体的に商品について語ることが
主流となっていますが、
生活提案というのは、その中のひとつです。

商品に対するこだわりばかり語っても、
“だからなんなの?”というお客さまも出てきます。

その商品が実際にお客さまの生活の中で、
どう役立つのかを教えて差し上げないと、
お客さまに伝わらないことも多々あります。

売れているから、流行しそうだから、
という理由で仕入れても、
ブームはいずれ去ってしまいます。

でも、生活スタイルに浸透させてしまえば、
半永久的にその商品は売れ続けることになります。
これが、「市場を創る」ということです。

ブームの市場は、本物ではありません。
本物を創ってみましょう。

新しい商品だけが市場を創るわけではありません。
お店を見まわしてみてください。必ずあります。


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気持ちよくお金を遣っていただく。

いま企業は、「富裕層」の取り込みに一所懸命です。
子育てが終わった頃から、定年退職したくらいの、
時間もお金もある年代のことです。

そこで、“富裕層を狙え”とばかりに、
まるで獲物を探すがごとく、
あの手この手と「手口」を考え出します。
“金のあるところからふんだくれ”という感じです。

その手口がウマい。
言葉巧みに、お客さまをその気にさせ、
不当な利益を上乗せした高額な商品を買わせます。

しかも、冷静さを失ったお客さまは、
満足してしまっています。本人さえ気づかないのです。

“本人が満足しているのなら、
 それでいいんじゃないか?”と、
思われる方が必ずいます。
そんな方たちが、手口をマネしようとします。

一時的には、儲かるかもしれません。
でも、そんな汚い商売が、いつまでも続くと思いますか。

本当の商売がしたい、永く続けたい、と願うなら、
お客さまを本気で喜ばせる『心』が大切です。

キレイごとを言うつもりはありません。
お金のあるお客さまに買っていただくのは、
大切なことです。

対象を「富裕層」にして、
あれこれアピールすることも必然です。
ただ、その売り方です。

「オファーが大切」などと、
誘いの言葉ばかりを並べたて、
100円の原価のものを
10000円で売っていたりします。

こんなことをしてはいけません。

高く売ってはいけない、と言っているのではありません。
たとえ、原価が100円だったとしても、
9900円以上のサービスを付加したものでないと、
10000円で売ってはいけないのです。

サービスとは、
満足の上に感動を上乗せして販売することです。

これが、本当の商売です。本気の商売です。

お客さまに、気持ちよくお金を遣っていただきましょう。
お客さまの心を“ぽっかぽか”にしましょう。

では、具体的にはどんなことをすればいいのでしょう。

・・・・・・それは、あなたが考えることです。


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お店は、地域の人びとのために。

「地域の人びとに対して、どのように貢献するのか。
 社会の中で、どんな役割を果たせるのか」。

これは、格好をつけているわけでも、
建て前を言っているわけでもありません。
お店を創る上での基本中の基本。
絶対に忘れてはならないことです。

“自らの利益を優先する商売”
“ひとりよがりの商売”をやっていては、
地域の人びとからの支持は得られません。

地域の生活者が望むモノ・サービスに
応えることができてこそ、支持を得て、
商売人として成功するのです。

お客さまに喜んでいただくことが、
自らの喜びとなるようにしなければなりません。

何度も言います。
これは、格好つけでも、建て前でもありません。

では、地域の人びとに支持されるためには、
どうすればいいのでしょう。

『どのようにお役立ちするのか』が、
重要なポイントです。

人間の欲求である
「生活するための消費」と「楽しむための消費」の中の
どの分野でお役立ちするのかを
明確にする必要があります。

必要なモノを買うという
「生活するための消費」については、
品揃えや量で大型店には勝てません。

だとすると、
“+α”である「楽しむための消費」の分野で、
お役立ちすることが大切です。

それは、どういうものでしょうか。

 ●他にない商品
 ●他にない売り方
 ●他にないサービス
 ●他にない接客
 ●他にない雰囲気
 ●他にない店主の人間性
    :
    :
などです。

これらのうちのどれかひとつでも
徹底することができれば、地域の人びとに認められ、
その噂は広まり、お店の存在価値が保証されます。

もちろん、項目のいくつかを一度に実践できれば、
申し分ないことですが。

さらに加えて、

 ■自然との調和
 ■環境との調和

を忘れるわけにはいきません。

自然との調和とは、自然や風土、気象条件に
対応した商業活動のことなのです。
と言うと難しくなりますが、要するに、暑い日や寒い日、
雨の日、雪の日などに、
お客さまはどのようなサービスを
求めているかを考えることです。

雨や雪に濡れて入って来たお客さまが喜ぶのは、
乾いたタオルや温風機かもしれません。
そんな細かな心配りを気づくかどうかが大切なのです。

環境との調和とは、
地域性・施設・街並みとのマッチングのことです。

これも簡単に言うと、街や近所のお店・人には
それなりのカラーがあるので、
それに合わせましょうということ。

あまりかけ離れた雰囲気では、
調和が取れず、浮いてしまいます。
目立てば良い、というものでもありません。

最後に、“地域の人びとのために”で
忘れてはならない心得を。

地域で生き抜くためには、
どのようにお客さまを固定化するかが問題です。

「他にない〜」は当然のこととして、
モノ・サービスを売った後の
「フォローアップ」「アフターサービス」に
心を配ることを大切に考えなければいけません。

売ったらそれで終わり、ではありません。
売った時がスタートなのです。

初めてのお客さまには
顧客カードを作らせていただいたり、
売ったモノの不備はないかと電話をしたり、
時にはご機嫌伺いをしたりすることが、
いかに大切かを知ることです。
そんなことをされて、
イヤな思いをするお客さまはいません。

商売は、お客さまとの恋愛です。
いつもその人のことを考え、声をかけ、
時にはラブレターを書き、
さまざまな手でアプローチするのです。

誠心誠意尽くせば、
必ずお客さまにお店を愛していただけます。

気をつけたいのは、ストーカーにならないことです。
このあたりの線引きが難しいのですが、
やってあげたからと見返りを期待しないことです。

無償の愛なのです。


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納得できる価値。

人は、どのような心理状態になった時に、
商品の購入を決定するのでしょうか。

ずばり、結論から言うと、その商品を買うことによって、
何らかの利益・恩恵が得られそうだと「納得」した時に、
商品の購入を決定します。

「納得する」とは、どういうことでしょう。

わかりやすい例で言うと、ブランド品があります。
ブランド品は、厳しい品質管理や
優れたイメージづくりによって、
高い価格を維持しているからこそ、
お客さまは「納得」するのです。

“値段が高いから、選ばれた人しか買えない”
という価値を感じている人たちがたくさんいます。

ブランドという贅沢品を買うのは、
ステータスでさえあります。

“あのブランドを買えるようになったぞ”
という満足感が得られます。達成感が味わえます。
だから、ブランド品のために、がんばるのです。

もし、価格を下げてしまうと、
価値を感じる「納得価格」ではないと考え、
その商品には手を出さなくなります。
ブランド品は、高いからこそ、売れるのです。

もっと身近な例をあげますと……

100円ショップの大手チェーン店では、
最近200円商品を置くようになりました。
どういう戦略かはわかりませんが、
私は間違った手法ではないかと思います。

先日、キッチンタイマーを買おうと見ていたのですが、
200円でした。私は躊躇して、買わなかったのです。

それは、私が「納得」できなかったからです。
200円くらいのものなので買えばいいのですが、
100円ショップなのに200円だからです。

100円ショップは、
“100円でこんなものまであるのか”
という驚きが『価値』だと思います。
そこに、「納得」するのです。

「納得」するからこそ、
不要なものまで買ってしまうのです。
キッチンタイマーは必要なものなのですが、
「納得」できないゆえに、買わなかったのです。

これが、ホームセンターや雑貨屋さんなら、
安いと思って、迷わず買います。

同じ200円でも、普通のお店なら安いと感じ、
100円ショップでは高いと感じます。
これが、人間の心理なのです。

もう1つの例を……

私は、散髪を家内にやってもらっています。
もう10年以上になります。

それまでは、1500円くらいの、
いわゆる大衆理容というところへ行っていました。
あまり髪形などにこだわらないからです。

貧乏な頃(いまでもそうですが)、
節約のために家内に頼みました。
最初は小さなハゲができたりしましたが、
すぐに慣れ、上手になりました。
大衆理容と差がなくなったのです。

この時点で、大衆理容に行く価値がなくなりました。
お店と家が同じレベルになったからです。
1500円に「納得」しなくなったのです。

ところがある日、いつもお客さまがたくさん入っている
理髪店の前を通りました。

どうして、こんな不景気な時に、
4000円もするお店が流行っているのかと考えました。
見ためは、ごく普通のお店です。

長らく、こういった理髪店に行っていなかったので、
試しに入ってみました。

4000円に「納得」しました。大衆とは違います。
髪を切る技術。髭を剃る技術。髪を洗う技術。
マッサージまでしてくれます。

私は、あまりの気持ちよさに、ウトウトしてしまいました。
流行っているのが、よくわかりました。
これなら、4000円の価値があります。

同じように散髪するだけでも、
私にとって1500円は価値がなく、
4000円は「納得」する価値があるのです。
たまにでもいいから、行きたいと思います。

価格の高い安いが問題なのではなく、
「納得」できる価値があるかどうかです。

1万円のスーツだって、30万円のスーツだって、
そこにお客さまが「納得」する価値があれば、
売れるのです。


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お客さまが満足するのは、商品ではなく『付加価値』。

付加価値を高めれば、商品は売れます。
非常に単純な「商売の極意」なのですが、
これがなかなかできません。

わかっていてもやらないお店、
まったく気づかないお店が潰れていくのです。

では、付加価値を高めるとは、
どういうことかを考えてみましょう。

商品そのものの機能・性能を
高めることも付加価値ですが、
それはメーカーの仕事です。

飲食店でも、
味やメニューで付加価値を生むことはできます。

しかし、物販のお店ではそれはできません。ならば、
何によって付加価値を高めれば良いのでしょうか。

ずばり、“サービス”です。

変わった雰囲気のお店だ、お洒落だ、
面白いモノを置いている。

これらも付加価値なのですが、
飽きられたら、それで終わりです。

将来もずっと続いていく付加価値とは、
サービスのことなのです。

ここで言うサービスとは、
「安くする」「おまけをつける」
ということではありません。

『おもてなしの心』です。

“こうしてくれたらいいな”という
お客さまの望みにお応えすることです。

それを実践して、お客さまの満足度を高めることで、
また来たいと思っていただけるようになります。

これが、お客さまの固定化、
顧客づくりにつながるのです。

『おもてなしの心』とは、どんなものでしょうか。

たとえば、
レストランに小さな子どもを連れて行ったとします。
よく気がつくお店・従業員なら、こちらが頼まなくても、
子ども用のイスを運んでくれたり、
子ども用の食器やスプーンを持って来てくれます。

良くないお店は、わかっていても手間を惜しんで、
依頼されるまで何もしません。

ここに『おもてなしの心』はありません。
この小さな心配りが
付加価値になるということに気づかず、
固定客になっていただけるチャンスを失うのです。

また、天気の悪い日の対応でも、
お店の差がハッキリとわかります。

入口付近が雨で濡れているなら、
すべらないようにマットを敷く。
濡れた身体を拭くためにタオルをお貸しする。
お買い上げ商品を防水性の袋に入れる。
お客さまの荷物が多くて、傘が差しづらそうな時には、
外に出て代りに差して差し上げる。

こうした心配りをすることで、
お客さまは雨の日でも来店してくださいます。

ケーキ屋さんで、帰るまでの時間を聞かれますが、
これは保冷剤を入れるためです。

これを肉屋さんや魚屋さんでやれば、
多少遠くのお客さまでも
買いに来ていただけるのではないでしょうか。

観光地の市場などでは氷を入れてくれますが、
日常買いのお客さまを相手にしているお店では、
こういうことに気づかないのです。

こんな心配りもあります。

●花屋さんが、
 花を長持ちさせる方法を教えてくれたら……。
●肉屋さんが、
 安いお肉を高級品に変える方法を教えてくれたら……。
●中古車買取店が、
 車を高く売る方法を教えてくれたら……。

ちょっと考えると、お店にとっては
不利になるのではないかと思われるサービスですが、
お客さまは確実に、このお店のファンになります。
他のお店を見なくなるのです。

この心配りが、固定客を創り出すのです。
『おもてなしの心』で接すれば、
お客さまはお店を信頼し、
「このお店は私を大切にしてくれている」
という共感が生まれます。これが付加価値です。

どこに行っても同じような商品ばかりの時代に
“勝ち残る”手立ては、付加価値なのです。

「生き残る」ではなく、「勝ち残る」です。

この付加価値サービスが
「小さな心配り」から始まることをつねに頭に入れ、
お客さまを知る努力、プロとしての勉強、
他店とは違う自店らしさの創出を
心がけるようにしましょう。
これが、「商売の極意」なのです。


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お客さまになりきる。

私は、お客さまの立場に立ってモノを考え、
お客さまの目線でお店を見ています。

“ここは、こうすればいいのに”とか
“あんなやり方ダメだ”と、
好き勝手なことを言っています。

仕事柄、人一倍気になるということもありますが、
こうした感覚は、誰でも持っています。

みなさんだって、他のお店に行った時には、
あれこれ不満も出てくるはずです。
“こうすれば良くなるのに!”という発想も出てきます。

その時点では、みなさんもお客さまの目線で
お店を捉えることができているのです。
でも、いざ自分のお店のこととなると見えなくなります。
それは、なぜでしょうか?

ハッキリ言って、自分に対する「甘え」です。
“面倒だ”“疲れる”“ザボリたい”という気持ちが、
心のどこかにあるのです。

また、“そんなことをしてもムダだろう”という、
やる前からの言い訳もあります。

他のお店に対しては厳しさを持っているのに、
自分に対しては、甘えがあるのです。
誰でもそうです。私もそうです。

しかし、もう一歩踏み出して、
「お客さまの立場」で考えてみることが重要です。

この当り前のことができていないお店が実に多いのです。

“考えているけど、わからないよ”
という方もおられるでしょうが、
それは、頭だけでちょこっと考えただけなのです。
からだで考えていません。

自分のお店に来てくれるお客さま、
来て欲しいお客さまが、
どんな方なのかをじっくり考える必要があります。

また、そのお客さまになりきって、
自分のお店を訪ねてみましょう。

もし、腰の曲がったような
お年寄りのお客さまが多いのなら、
重いものを詰め込んだリュックを背負い、
腰を曲げて歩き、杖をついてみるのです。

手も不自由になっていますから、手袋もします。
足に重りもつけます。

これくらいしなければ、
このお客さまの気持ちはわかりません。

よく中高生の体験学習で、目隠しをして街を歩いたり、
車椅子にのってみたりしていますが、
まずはやってみなければわからないからです。

小さな子どもが相手なら、
かなり低い位置に商品を陳列しなければなりません。

子どもに優しい人が、子どもと話をする時は、
同じ高さに目線を持っていき、話します。
そうじゃない人は、上から見下ろしながら話します。

お客さまと同じ立場、同じ位置にならなければ、
その気持ちはわからないということです。

やってみれば、
いままで気づかなかったことが見えてきます。
すると、そのお客さまが望んでいる
お店の創り方がわかるのです。

みなさんも仕事を離れれば、一消費者です。
お客さまの立場になることはたやすいはず。

自分のお店のお客さまになりきってみましょう。
「がんこじじい」になって、文句を言ってみましょう。


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