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2012年1月

井原西鶴の「商人道」を忘れるな。

最近の若い起業家には、ベンチャー精神に溢れ、
優れた発想力で成功を収めている人がたくさんいます。

羨ましいまでの才能を持っています。

しかし、その才能が先走り過ぎて、
大失敗をする人が多いのも現実です。

堀江、村上、折口、猿橋。

彼らも、創業当初は夢に眼を輝かせて、
努力を惜しまず、一生懸命だったはずです。

それがいつの間にか、
お金に眼を輝かせるだけのクズになってしまいました。

お金が無いのは困りますが、あり過ぎると、
性格までも変わってしまい、堕落の一途です。

井原西鶴が説いた「商人道」をご存知でしょうか。

その中には、4つの教えがあります。

<始末>
凡人なら誰もがしたいことを

徹底的に我慢し、節約すること。
自己資金を稼ぐ正攻法として、まず始末が肝心。

<算用>
勘定や財政の収支尻を合わせ、採算を取ること。
「入るを計って、出るを制する」のが、商売の基本。

<才覚>
知恵や工夫を凝らし、機敏に商機を掴むこと。
資金の回転を高め、利幅を大きくすることが大切。

<信用>
正直な商法で約束を守り、
お客や取引先の信用蓄積が何よりも大事。

失敗する人は、この4つの教えを1つずつ忘れていき、
結局は商人道からまったく外れたことを

するようになるのです。

最初に忘れるのが「始末」。

儲かるようになると、

人間誰しもちょっと贅沢をしたくなります。
多少の贅沢は、

頑張ったことへのご褒美だと考えればいいのですが、
徐々にエスカレートしていきます。
これが、人間の弱いところです。

「質素倹約」という言葉をあまり聞かなくなりましたが、
その大切さを忘れてはいけません。

「質素倹約」を徹底すれば、資金にも余裕が生まれ、
安定経営に繋がり、それが心の余裕にもなるのです。

「始末」できなくなると、

「算用」つまり、収支を合わせ、
採算を取ることができなくなります。

使える範囲を超えて、使ってしまうからです。
すると、商売は傾き始め、悪い噂も立つようになります。

そして、築いてきた、
お客さまや取引先からの「信用」を失ってしまいます。

やがて、優れた「才覚」の持ち主

と言われていたことさえ、
疑われるようになり、

人間性をも否定されてしまうのです。

これですべてを無くし、
二度と陽の光を浴びることはできなくなります。

「商人道」などと言うと、何を古くさいことを、
いまの時代に合わない、

という人がいるかもしれません。

しかし、商売のやり方は変われど、
その根底に流れるものは変わらない、
ということを知らなければいけません。

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お店にあるモノすべてが新商品。

売れていないお店に共通していることは、

・いつも同じレイアウト
・古い商品が、いつも同じ場所にある
・新しい商品が無い

などです。

店内に足を踏み入れると、煤けた感じというのか、
雰囲気がモノトーンなのです。
入っただけで、買う気が失せます。

売れていないから、新商品を仕入れられなくなり、
古い商品だけで商売をしなくてはいけなくなっています。
悪循環です。

せめて、時々レイアウトを変えたり、
商品の見せ方を変えたりすれば、
入っただけで買いたくなくなることはありません。
見る気にはなります。

そんな簡単なことさえしないから、売れないのです。

なのに、
「流行のモノを大量に仕入れたら、売れると思うけど、
 そんな余裕は無いし」
と、悩んでいる店主が多くいます。

流行を追い掛けると、その時は売れるかもしれませんが、
すぐに在庫を抱えることになります。

そしてまた、流行のモノを仕入れて…、の繰り返し。

そんな不安定な商売のやり方では、将来がありません。

流行りモノの価値ではなく、
お客さまにとって本当に価値のあるモノを売らなければ、
商売を長く続けることはできません。

それは、一流品を扱うということではなく、
投資対効果、つまり、お金に見合った、
もしくはそれ以上の価値をお客さまに提供することです。

「どんな商品を扱えばいいのか、わからないよ」

いまお店に残っている商品で勝負すればいいのです。

キレイに磨き上げ、陳列や照明も工夫し、
“良さそうだ!”と思えるように演出してください。

「古い商品だから、そんなことをしても無駄だ」

もし、そう思うのなら、捨ててください。
そんな商品しか置けない自分の
不甲斐無さを恥じてください。

しかし、私は古いからダメだとは思いません。
発想の転換です。

ちゃんと陳列・演出された商品なら、
お客さまには古いか新しいかは、わかりません。
それは関係無いことです。

初めて接したモノは、すべて新商品なのです。
つまり、初めて来られたお客さまにとっては、
お店にあるモノすべてが新商品だということです。

新商品のつもりで、売り込めばいいのです。
商品の価値を決めるのは、お客さまですから。
そう思えば、気合いも入ります。

見ためは大切です。

潰れかけのお店は、このことを忘れています。

暇そうにしているくらいなら、
お店の模様替えでもしてみてください。

気分も変わるかもしれません。

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おもちゃを買うのは、大人。

ドッグフードを売る時、
その相手、つまりお客さまは犬でしょうか?

違いますよね。飼い主である人間です。

だとしたら、アピールする相手も人間です。

犬の好みに合わせて売るのなら、
味の違いによる品揃えだけで充分なはずです。

しかし、飼い主の選択基準は、
それほど単純ではありません。

栄養バランスの取れているものや毛並みの良くなるもの、
歯の掃除ができたり、口臭が少なくなるものなど、
多様な要望に合わせなければいけません。

すなわち、売っているモノを
必要とする相手と購入者は別で、
購入者に対してアピールする方法を
考えなければいけないということです。

赤ちゃん用品やおもちゃも同じです。

アピールする相手は、親です。

赤ちゃんが喜ぶものではなく、
親が望んでいるものを提供するのです。

赤ちゃんが喜ぶのだから、
それを見た親も喜ぶのではないか、
と考えてしまいますが、そうとは限りません。

親が望む「子育て像」というものがあります。

“こうあって欲しい”と思う、
理想像に近づけることができる商品を選ぶのです。

オムツにしても、お尻をサラサラにしてあげたい
と思うお母さんなら、高価な紙オムツを使います。

しかし、お尻の気持ち悪さを学ばせたい
と思うお母さんなら、布オムツを使います。

創造力を養いたいと思うお母さんは、
ブロックや積み木を与え、
知性を育てたいと願うお母さんは、
知育玩具を与えます。

どちらが良いか悪いかの問題ではなく、
親が望む子育て像に近づくために必要な商品を
どのように品揃えしていくのかが、
大切だということです。

これが商売人の役割です。
購買決定者の欲しているものを提供することです。

介護用品でも同じことが言えます。

介護される人が気持ちよく過ごせるように
することが大前提ですが、
介護する人の負担を軽くする商品が
求められていることを、
まず第一に考えなければいけません。

介護される人より介護する人の方が大変だ、
と言うと語弊があるでしょうが、
心身ともに疲れ果てている人がたくさんいます。

こういう人たちを助けるのが、
介護用品の本当の目的ではないかと思います。

話が脱線しそうですが、
モノを売る場合、商品のターゲットではなく、
購買決定者に対して、
アピールする必要があるということです。

ドッグフードを買うのは、人間。
おもちゃを買うのは、大人。

これを忘れないでください。

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正規料金で売ることが、サービスとなる。

激安店・ディスカウントストアが溢れています。

庶民としては有り難いことですが、
すべての人がそんなお店を
求めているわけではありません。

世の中の雰囲気に流されて、
価格競争に巻き込まれていませんか?

いますぐ抜け出してください。

“激安”を求めていないお客さまを相手にするのです。
価格を下げずに、正規の料金で勝負しましょう。

「そんなことができるの?」と、
疑問を持つかもしれませんが、
正規料金で勝負することはできます。

まずは、どうすれば「正規料金」で
買っていただけるのかを考えてみてください。

落ち着いて考えれば、わかることです。
単純なことです。

あなたも充分に理解しているはずです。

『付加価値を高め、サービスに力を入れる』

「何をいまさら」という感じかもしれませんが、
それができていないから、売れないのです。

価格競争をしなくてはいけなくなるのです。

あなたの扱う商品・サービスは、
お客さまにとって、どんな価値がありますか。
どんな価値を感じて欲しいですか。

失礼ながら、真剣に考えたことがありますか。

他店のチラシばかり、気にしていませんか。

そんな商売は、もう終わりにしましょう。

地域で一番高いお店でも構わないのです。
気にしなくていいのです。

地域で一番価値のあるモノを
売っているお店になればいいのです。

地域で一番サービスのいいお店になればいいのです。

割引きをすればするほど、サービスは二の次になり、
どんどんお客さまは離れていきます。

正規料金で売れるように頑張るから、
サービスにも力を入れて、
お客さまが来るようになるのです。

料金の安さで勝てる時代ではありません。

価格競争に巻き込まれたお店は、潰れています。
早く、そのことに気づいてください。

お客さまが求めているのは、安さではなく、
付加価値・サービスなのです。

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売れない時代だからこそ、売れる。

売れない。儲からない。
不景気だから、仕方が無い?

本当にそうでしょうか。

だとしたら、
日本の経済・株価は急降下しているはずです。
しかし、危機的状況までには至っていません。

ITや音楽関連が経済を押し上げていることも
一因としてはあります。

経済格差の広がりによって、富裕層が増え、
高級・高額なモノの売れ行きが好調なこともあります。
この厳しい状況でも、
億ションはすぐに完売するほどです。

「そんなことは、庶民相手の商売には関係ない!」

確かにそうですね。

では、“時代が悪い”ということで、諦めるのですか?

消費者動向をよく観察してみてください。
たくさんの人が来店して、
儲かっているお店だってありますよね。

モノが売れない時代でも、
売れているモノがあるということです。
たとえ、庶民相手のお店でも。

いま売れているモノをあげてみると……

・弁当箱・水筒・PB商品・省エネ型家電・低燃費乗用車
・大型冷蔵庫・調理器具・自転車…

これらの商品が、
なぜ売れているのかを考えてみてください。
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<弁当箱>
サラリーマン・OLが昼の外食をやめ、
弁当持参となった。

<水筒>
飲み物をなるべく買わないようにしている。

<PB商品>
NB商品との差があまり無いことに気づき始めた。

<省エネ型家電>
電気料金の値上げに対応&省エネ技術の向上。

<低燃費乗用車>
ガソリンの値上がりにより、
ハイブリッド車や軽自動車へ乗り替え。

<大型冷蔵庫>
外食から内食へと変わり、買いだめする人が増えた。

<調理器具>
電気・ガスが少なくて済む圧力鍋や保存容器に注目。

<自転車>
車に乗らない人が増えたことと、健康志向。

このように、モノが売れない時代“だからこそ”、
売れている商品があるのです。

消費者動向(市場)は、一方向からだけ見ていても、
本当の姿はわかりません。

売れていないモノがあるなら、
その対極には、代わりとなるものが必ずあるのです。

消費者がまったくモノを買わない、
などということは起こり得ませんから。

「買う」という行為は、現代人の本能のようなものです。

あなたの扱っている商品・サービスの対極にあるもの、
代わりになるものを探してみましょう。

※まったく違う商品を扱え、と言っているのではなく、
 あくまで考え方ですので、慎重に。

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