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見せかけのテクニックは、いつかバレる。

先の紀伊水害で被災し、
我が家に住めなくなっていた時の話です。

いつ戻れるのかわからなかったので、
新聞の契約を解除しようと電話しました。

その時の販売所のとんでもない言葉に、
非常に腹が立ちました。

そこの責任者らしき若い女性の言葉です。

読売新聞を購読しているのですが、
契約の際には、契約年数に応じて
商品券が貰えるようになっています。

その商品券に関し、
「契約を解除されるのなら、
 “当然”お渡ししている商品券を
 返してもらわなければいけませんし……」
と言うのです。

確かに契約年数分を貰っているので、
返却しなければいけないのかもしれませんが、
元々「商品券を差し上げますので、契約してください」
と、販売所が勝手に持ち出した条件です。

それを“やめるのなら返せ!”と言うのは、
おかしな話です。

腹が立ったのは、それだけではありません。
その言い方です。

“当然”。

勝手に条件として提示したものを、
“当然”という神経に腹が立つのです。

しかも、被災している人間に、
これほど無神経な言葉をぶつけてくることに、
怒りさえ憶えました。

解約の理由を聞かれたので、
被災して住めなくなったこと、
いつ戻れるかわからないことも話しているのです。

そんな人間に対して、この言葉です。

この女性は、普段非常に丁寧な対応をするので
感心していたのですが、
それはただのテクニックだったことがわかりました。

新聞の不配や遅配の際に電話しても、
心配りのある対応をしてくれていたので、
若いのによくできた人だと思っていました。

ところが、解約となると“人が変わる”
と言っても良いくらい、
冷たい態度になったのです。

商売人として、いや、人間として恥ずべきことです。

たとえ解約するお客さまでも、
これまでお世話になったことに感謝し、
お礼の言葉を述べなければいけません。

私は、この言葉を一生忘れないでしょう。
被災した記憶とともに、
頭から離れることは無いと思います。

商売人だけではなく、人を思いやる心を持たなければ、
社会に笑顔は広がりません。

 
 
 

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