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2015年1月

“時間”がお店の売りになる。

なぜ、このお店は潰れないのか?
と、誰もが不思議に思うお店はたくさんあります。

私が独身時代に
たまに寄っていた中華屋さんもそのひとつ。

外観には特徴も無く、汚くはないものの古ぼけた感じで、
“わざわざ”行くようなお店ではありません。

マズくはない程度で、特に美味しいわけでもなく、
一押しメニューも無し。変わったメニューも無し。

しかし、夜はお客さまが結構入っていて、
長年営業を続けていました。

このお店が潰れない理由は「5つ」あるのではないか、
と私は考えます。

1つめは、場所です。

駅から住宅街に入るまでの中間にあり、
仕事帰りの独身が寄りやすい場所にありました。

「もうすぐ家」という“ホッとする位置”で、
食べた後すぐに帰ることができる、
という安心感があったのではないかと思います。

2つめは、ライバルの存在です。

お店のまわりをはじめ、
駅周辺にも中華のお店がありませんでした。

ライバルがいなければ、中華が食べたい時には、
このお店を利用することになります。

3つめは、特徴の無いごく普通の味です。

すごく美味しい料理は、印象には残りますが、
毎日食べると飽きてしまいます。

しかし、このお店の料理にはまったく特徴がありません。
まるで、家庭料理のような味のレベル。

さりとて、家庭料理を毎日食べているからといって、
飽きるようなことはありません。

食べていて、「安心できる味」とでも言うのでしょうか。

飽きないから、毎日でも立ち寄ることができるのです。

4つめは、テレビ。

古い飲食店ならよく見掛ける光景ですが、
テレビがあって、野球中継が流れていました。

独身の中年男性が、ビールと餃子を頼んで、
テレビを見ながら、
しばしホッとする時間を過ごすのです。

ビールが無くなると、
ご飯と一品もしくは炒飯を頼んで、夕食とします。

このパターンは、かなり多く見掛けました。

5つめは、漫画本。

汚れてきてはいるものの、
かなり多くの漫画本がありました。

こちらは、若い男性がよく読んでいました。

ご飯を食べながら、漫画を読む。
1冊読み終えると、帰って行きます。

また次の日、続きを読みます。

1冊読むと、続きを読みたくなるので、
しばらくはお店に通うことになります。

このように、男性ばかりではありますが、
“つい足が向いてしまう”お店なのです。

男たちにとって、ここはダイニングのような存在です。

自宅の居間でくつろぐ前に、
台所横のテーブルで食事をしているようなもの。

家に帰ったような安心感があり、
ホッとできる場所なのです。

このお店は、そんな“時間”を提供しているのです。

 
 
 

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田舎へ行って、一旗あげよう!

「都会へ行って、一旗あげよう!」と意気込んで、
都会を目指す人はたくさんいます。

地方の時代と言われながらも、
地方の活性化はいまだ進まず。

就職先は無く、商売を始めるにも、
お客さまになってくれる人口が少ない。

田舎に住んでいる者として、
都会へ出る人の気持ちは理解できます。

しかし、都会へ出れば成功できるのでしょうか。

残念ながら、ほとんどの人はできません。

良くて、食べていける程度。
挫折して、田舎に戻ってくる人も少なくありません。

都会には選択肢がたくさんあり、
成功の可能性は高いように見えます。

ですが、それ以上にライバルが多いのです。

素晴らしいアイデアが浮かんだと思っても、
誰かが先にやっています。

敢えてマネして、2番手でやろうとしても、
すぐに他の人が参入し、
自身は3番手4番手になってしまい、潰れてしまいます。

それが、都会です。

いま都会で商売をされている方は
実感していると思います。

何をやっても大きなライバルに勝てない、と。

もし、ライバルがいなければ、
いまのような苦労はしませんよね。

そんな場所が、田舎なのです。

自店の商売が無い田舎を探し、移住してしまうのです。

田舎の人が渇望している商売なら、
間違いなく常連さんになってくれます。

人口は少なくとも、濃いお客さまが獲得できるのです。

大きな儲けにはならないかもしれませんが、
ライバルを気にしつつ、
いつもビクビクしているようなことは無くなります。

ライバルがいなければ、
地域オンリーワンのお店になれます。

 
 
 

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お客さまの質問に答えられない時はチャンス。

どれだけ商品の勉強をしていても、
お客さまからの質問に答えられない時はあります。

高度な専門知識が必要だったり、専門外の質問だったり。

それは仕方のないことです。

しかし、ここで「わかりません」のひと言で
終わらせるべきではありません。

「調べてまいります」「聞いてまいります」
という行動が必要なのです。

できる限りのことをして、
お客さまに納得してもらう努力をしなければいけません。

その場でわからなければ、
「調べておきますので、ご連絡先をお教えください」
と伝え、後ほど連絡します。

お客さまが「そこまではいいよ」と言われれば、
「お役に立てず、申し訳ありません」と言って、
話を終わらせます。

これで、積極的に調べようとする姿勢は、
お客さまに充分伝わります。

調べようとせずに、「わかりません」と即答されると、
お客さまも気分良くありません。

ところが最近は、
どのお店でも「わかりません」と平気な顔で言われます。

それでは話は終わってしまいます。
買う気も失せます。

どう見ても正社員であろう店員さんでも、
そんな接客しかできません。

マニュアル接客の冷たさがよく言われますが、
それさえ無いのです。

社長・店主は、従業員教育をしていないのでしょうか。

世代交代が進み、トップでさえも、
そうした知識を持ち合わせていないのかもしれません。

そんな接客では、お客さまを喜ばせることなど、
できるはずはありません。

お客さまが質問するのは、
お店・商品に興味を持っているからです。

聞いて、納得すれば、
買ってもらえるかもしれないのです。
絶好のチャンスです。

質問に答えられなくても、チャンスなのです。

後ほど答えを連絡することで、
コミュニケーションの回数が増えるからです。

接点が多いほど、お客さまと店員の距離は縮まります。

話すうちに、親しみを持ってもらえます。

質問の答えを調べるだけの労力で、
お客さまと仲良くなれるのなら、積極的にやるべきです。

いや、本来なら、商売人として当たり前のことです。

「わかりません」で済ませる、
いまのお店がおかしいだけです。

 
 
 

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同じ商品でも価値は変わる。

スターバックスとドトールの違いを知っていますか?

スタバは高くて、ドトールは安い?

まずは価格の違いが浮かびますよね。

では、味はどうでしょう?

スタバは美味しくて、ドトールは美味しくない?

そんなことはありません。ドトールは、
安くても充分に美味しい珈琲を提供しています。

確かにスタバは、訓練を積んだバリスタが、
こだわりを持って珈琲を淹れてくれます。

その手間を考えると、
価格が高くなるのは仕方ありません。

珈琲豆の品質面でも、スタバのこだわりは評価できます。

しかし、お客さまがその違いを本当にわかった上で、
飲んでいるでしょうか。

スタバのカップにドトールの珈琲を入れて、
お客さまに出してみれば、その答えはすぐにわかります。

よほど舌が敏感で、
スタバに心酔している人でもない限り、
ドトールの珈琲だとは気づきません。

こうした実験は、過去に何度も行われていますが、
お客さまの舌というものは、結構いい加減なものです。

プロであるバリスタがいて、お店も高級感があり、
価格もそれなりに高いスタバを
“美味しい珈琲店”と感じているだけなのです。

感じた結果、
「ゆったりとした空間で、本物の味を楽しみたい」
と思う時に、スタバを利用しているのです。

ところが、それはお客さまが持つ
イメージでしかありません。

つまり、舌の肥えたお客さまが
スタバに集まるわけではない、ということです。

ドトールの珈琲でも、
お店の雰囲気を高級感あるものに変えて、
“プロっぽい店員”を演出すれば、
高くてもお客さまは納得して利用してくれます。

ただし、ドトールの役割はそんなところにはありません。
また、目指してもいません。

“気軽に、安くて美味しい珈琲を楽しんでもらう”
ことにあります。

なので、お店や店員に
お金を掛けるわけにはいかないのです。

すなわち、客層が違うということです。

極端な言い方をすれば、お金があるか無いか。

つまり、価格の違いでしかないのです。
お客さまにとっては、同じ珈琲なのです。

同じ珈琲なのに、その“売り方”によって、
価値が変わってくるのです。

当然、プロ側からすれば、
「まったく違う商品だ」と言うでしょうが、
お客さまにはわかりません。

お客さまが求めているのは、珈琲ではなく、
珈琲を楽しむ“時間”なのです。

時間をどう演出するかが、お店の“売り”を決定します。

 
 
 

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