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地域の嗜好は変えられるのか?

先日、地元・和歌山では珍しい、
天然酵母を使ったハード系パンのお店ができていたので、
視察に行って来ました。

まぁ、食べてみたかっただけですが。

ハード系パンとは、
バゲットやバタール、パン・ド・カンパーニュなど、
全粒粉やライ麦粉を使い、
じっくり焼き上げたパンのことです。

表面が固く、中がやわらかいのが特徴です。

地元では、バゲットやカンパーニュとして売っていても、
それはカタチだけで、全体にやわらかく、
言わばニセモノです。

これまでいろんなお店をまわっていたのですが、
本格的なハード系パンは
なかなか見つかりませんでした。

しかし、このお店は私の期待に見事応えてくれました。

小麦粉の香り。天然酵母の香り。焼いた香ばしさ。
そして、噛むほどに甘みを増す奥深さ。

グルメ評論家のような表現ですが、
それほど私の嗜好にマッチしたのです。

“良いお店を見つけた”と思っています。

ところが、ちょっと気になることが。

午後3時半くらいにお店に入ったのですが、
そこそこパンが残っていたのです。

1日にどれだけ焼くのかはわかりませんが、
店主がひとりで焼いているそうなので、
その量は見当がつきます。

すると、残っているパンが
若干多いのではないかと思います。

つまり、売れていない。

考えられる理由は、2つ。

「美味しくない」あるいは「値段が高い」。

私は舌に自信があるので、
「美味しくない」は当てはまらないと考えています。

値段は、ハード系としては、むしろ安い方です。

これでは、理由が当てはまりません。

とすると、地元の人の嗜好の問題です。

「美味しくない」と感じている、
あるいは「値段が高い」と思っている。

お店のある場所は、工場や古い家が並ぶ、下町。
高齢者も多く、庶民的。

地域の人のパンに対する好みとしては、
ふんわりやわらかい食パン、甘い菓子パンとなります。

そんな地域で、天然酵母や小麦粉の香り、
と言ったところで、
“美味しそう”“食べてみたい”とはなりません。

本格的なバゲットやカンパーニュを食べても、
「固い」「味がない」となります。

すなわち、「美味しくない」ということです。

美味しくないのに、
他のお店より高い値段がついているので、
印象も良くありません。

これが、売れ残っている理由です。

では、この問題を解決するには、
どうすれば良いのでしょうか。

本物の味を知ってもらうためには、
試食の機会を作る必要があります。

周辺のお宅をまわってパンを配るか、
試食会のようなイベントを開催する方法もあります。

とにかく、“啓蒙”が大切なのです。

“知らないから手を出さない”という人も多いのです。

ただ、かなりの手間と時間が掛かるかもしれません。

地元になかった食文化を広めるのですから、
その覚悟が必要です。

資金に余裕があるなら、
移転を考えた方が良いかもしれません。

人の嗜好を変えるのは、
そう簡単なことではありませんから。

 
 
 

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